
【GALLERY_archive】提灯ワークショップ「あわい」(小嶋商店 様・JAPAN MADE 様)_2025/12/13~14


渋谷 神南に佇むSLOTH JINNANのギャラリーにて、JAPAN MADEと、寛政時代から続く老舗・小嶋商店による「あわい」提灯のワークショップが開催された。会期中、ギャラリーはやわらかな光に包まれ、普段とは異なる“和モダン”の空気を纏う空間へと変貌を遂げた。

今回の展示では、ギャラリーに備えられたライティングレールを活用し、提灯を点在させるように配置。高さや距離の異なる光が重なり合うことで、空間に奥行きとリズムが生まれ、提灯という伝統的なプロダクトが現代的なインテリアとして立ち上がっていた。光そのものが展示物であるかのような、美しい空間演出が印象的だった。

ワークショップでは、小嶋商店の職人による直接指導のもと、提灯づくりの工程である「貼り」と「絵付け」を体験。長い歴史の中で受け継がれてきた手仕事を、間近で学べる貴重な機会となった。
筆者も絵付けを体験したが、筆運びひとつで表情が変わる難しさに何度も手が止まる。一方で、紙に染み込む墨の感触や、完成に近づくにつれて浮かび上がる“味”は、効率や正解のないものづくりの楽しさ、そして伝統の奥深さを感じさせてくれた。


会場全体のトーンを整えていたのが、JAPAN MADEによるポップやビジュアルを含めた世界観の演出だ。情報としての説明にとどまらず、提灯の背景にある思想や美意識が自然と伝わる構成により、ギャラリーはこれまでにない表情を見せていた。

今回はエントランスにも大きな提灯が展示され、建物に足を踏み入れた瞬間からイベントの空気感を感じられる設えに。ギャラリー単体ではなく、施設全体でひとつの体験をつくり上げていた点も印象深い。

伝統工芸と現代の空間、つくり手と体験者。その「あわい」に生まれた光と時間は、SLOTH JINNANという場の可能性をあらためて示すものだった。学びと体験、展示と交流が自然に交差した、濃密で心地よい二日間となった。
